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民主主義の危機にどう対処するか
―― ポピュリズムからファシズムへの道

シェリ・バーマン バーナードカレッジ教授(政治学)

Populism is not Fascism ―― But it could be a harbinger

Sheri Berman コロンビア大学・バーナードカレッジ教授(政治学)。専門はヨーロッパの政治と歴史、左派の歴史など。

2016年12月号掲載論文

ファシストが台頭した環境は現在のそれと酷似している。19世紀末から20世紀初頭のグローバル化の時代に、資本主義は西洋社会を劇的に変貌させた。伝統的なコミュニティ、職業、そして文化規範が破壊され、大規模な移住と移民の流れが生じた。現在同様に当時も、こうした変化を前に人々は不安と怒りを感じていた。だが、第一次世界大戦、大恐慌という大きなショックを経験したことを別にしても、根本的な問題は、当時の民主主義が、戦間期の社会が直面していた危機にうまく対処できなかったことだ。要するに、革命運動が脅威になるのは、民主主義が、直面する課題に対処できずに、革命運動がつけ込めるような危機を作り出した場合だ。ポピュリズムの台頭は、民主主義が問題に直面していることを示す現象にすぎない。だが、民主的危機への対応を怠れば、ポピュリズムはファシズムへの道を歩み始めることになるかもしれない。

  • トランプはファシストか
  • ファシズムの誕生
  • 民主主義の危機
  • 現代への教訓とは

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